会長 新春のごあいさつ

 読者のみなさま、新年あけましておめでとうございます。

 昨年11月に開催された「被爆・戦後70年 2015日本のうたごえ祭典in愛知」は、大音楽会、小音楽会、大みんなうたう会、特別音楽会、合唱発表会・オリジナルコンサートあわせて3日間でのべ16,900人が集い、“いのちの輝き・平和・生きる力”を高らかに歌いあげ、大成功をおさめることができました。祭典を物心両面で支えていただいた地元・全国の皆様方にあらためてお礼申し上げます。

 また、昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議には、うたごえ代表団として全国から48人の仲間を派遣することができ、うたや太鼓・パフォーマンスでNYの空に平和のうたごえを響かせ、うたごえならではの役割を存分に発揮することができました。うたごえ新聞に初めて見開きで、核兵器廃絶を願う「紙上人間の鎖」宣言の名刺広告五千口超の賛同者(団体)を掲載することができたことも特筆すべき成果です。 

 日本は世界で唯一の被爆国。その70年の節目であるからこそ、あらためて戦争も核兵器もない平和な社会を目指す責務を担っているはずの日本の為政者は、昨年9月、憲法違反の「戦争法」(安保関連法制)を採決し、強行成立させました。

 この安倍暴走政権に対し、多くの憲法学者はじめ、これまで政治にあまり声を上げなかった学生やママさんたちまでが街頭に出るという、廃止をめざす運動が国民的な大きなうねりとなって起こっています。「うたごえ・労音・音楽センター」が事務スタッフとして発足した「戦争法に終止符を!音楽人・団体の会」には昨年末で400人(団体含む)を超える賛同が寄せられています。
 昨年、プロジェクトとして立ち上げた「沖縄を返せ!辺野古新基地建設阻止・うたごえ大行動本部」では、辺野古近辺のホテルに二百人の辺野古住民らを集めて三百人を超える「うたごえのつどい」を成功させることができました。県と国との法廷闘争に突入した現在、今年も全国からの支援・連帯のもと、地元のうたごえと知恵を寄せ合い取り組みを強めたいと思います。当面は、普天間基地を擁する宜野湾市長選に何としても「オール沖縄」候補勝利のために最善を尽くすことが求められています。

 被爆・戦後71年の今年は日本が国連に加盟して60周年の節目の年です。1956年の加盟以降,日本は,国連の場で世界の平和と繁栄のためにどう貢献してきたのか?が問われる一年でもあります。「国連憲章」は悲惨な大戦を経験した各国が二度とこの愚かな行為を繰り返さないように創ったものであり、切実な平和への祈りがこめられた人類の知恵と言うべきものです。
「国連憲章に違反する戦争への支援はしない」と安倍首相。しかし、アメリカがでっち上げて始めたイラク戦争等について、反省も、検証もしていない。アメリカの言うがままの政権に、集団的自衛権の行使を可能にした、戦争法の発動を許してはなりません。

 今年一年も課題は山積みですが、今秋11月に四国初上陸となる日本のうたごえ祭典inえひめを地元・全国の力で成功させましょう。
 そして、何よりも実現させなければならないもの。それは「戦争法」廃、辺野古新基地建設阻、原発停、そして本紙「うたごえ新聞」増であります。

今年も一年全国津々浦々で“人間の尊厳と誇り”を胸に大いに歌い交わしましょう。

日本のうたごえ全国協議会
会長 田中嘉治
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